私は2014年3月から9月の半年間で23kgのダイエットに成功し、なおかつ現在までの二年近く体型を維持できています。この話を聞いた知人たちが、ひっきりなしに「ポイントを教えて」とやって来るのですが・・・教えたところで、未だ誰も成功していません。

先日もしつこく「教えてもらった通りにやろうと思うけど、細かい点が分からない。どうしたらいい?」とメールしてきた人に「こんなメールを送ってくるヒマがあるなら、即刻ランニングウェアに着替えて、いますぐ5km走って来い!」とキレ気味の返信をしてしまいました。

【Don't learn ! Do ! (習うな、やれ!)】

学びの段階として「習得・修得・体得」いわゆる“三得”があることは既に述べました。習得の段階にいる人は、習ったこと(学んだこと)で満足し、その後に成果を出す可能性は低いです。
やるからには、きちんと修得し(身に付け)、さらには体得して(学んだことを発現して)、成果を出さなければなりません。

ダイエットも、講師の仕事に取り組むのも理屈は同じです。その道の先人に習って、効率よく成果を出そうという考え方は間違いではありません。
問題は、その先です。「修得して体得して必ず成果を出す」という覚悟があるかどうかなのです。世の中、「覚悟があるつもり」の人が多過ぎると私は見ています。

基礎的な知識を習ったら、あとは実行するのです。そこで成果が出なくても、「なぜ出来なかったのか」「今後はどうしたら出来るのか」を真剣に考え、仮説を立てて先人に意見を伺うのです。

【Do の後の質問には答えやすい】

先人にとっても「流行りの糖質制限は効果ありますか?」と聞かれたら「さあ、どうですかねえ」としか答えようがないでしょう。
しかし、「糖質制限しながら走ったら、疲労だけ溜まって痩せないんですけど」と問われたら、「少し炭水化物を取ってから走りましょう。燃焼効率が上がってダイエット効果も上がりますよ。」とアドバイスできます。

「どうしたら受講生の集中力を高められますか?」と聞かれても「さあ、いろいろ考えられますけどねえ」としか答えようがありません。
しかし、「グループ演習でヒマそうにしている受講生に注意したら、逆ギレされました」と Do の内容を聞けば、「ヒマそうな受講生にリーダーの役割を担わせて、簡単な課題を与えて褒めてあげましょう。他の受講生も含めて懸命になりますよ」とアドバイスできます。

では、講師は常日頃どのような心構えで、どのような Do を重ねれば講師としての “体得” に達するのでしょうか。(詳細は、後編に記載します。)