■ワンポイント・エッセイ 心身を鍛える(7) 大嶋利佳

 自分の欠点や不足な点を目の当たりにしても、「それは部分
的な問題だ」「必ず改善できる」という自信を持てるようにな
るためには、運動が効果的です。
 「筋肉は裏切らない」という流行のフレーズがあります。似
た言葉として、「練習は裏切らない」「流した汗は裏切らない」
と言ったフレーズもよく聞きます。いずれも「身体を動かした
結果は必ず、なんらかの形で表れる、期待はずれになることは
ない」という意味でしょう。
 身体は、なんらかの刺激を与え続ければ必ず変化します。
「1か月間、継続してトレーニングしたが、まったく体力もつ
かず体調も変化しなかった」などということはありません。ち
ょっとしたストレッチやウオーキングのような軽い運動でも、
続けていれば必ず、そこになんらかの変化が感じられます。
 運動の経験、習慣がある人なら誰でも、この「やれば変わる、
良くなる」ことを実感として知っているでしょう。それが自信
のもとになります。
 この経験を持たない人は、自分の欠点や不足を突き付けられ
たり、失敗したりするとすぐに「自分はだめだ」という全否定
に陥ってしまうのではないでしょうか。
 スポーツや武道の練習、稽古が、勉強や仕事に対する自信も
養ってくれるのには、そういう理由がありのでは、と私は考え
ています。
 時節柄、広い場所に集まっての稽古はできませんが、室内で
のストレッチ、自重トレーニングだけでも、続けていきたいも
のです。