■ワンポイント・エッセイ 心身を鍛える(5) 大嶋利佳
一時期、「そのまま、ありのままの自分でよい」というフレ
ーズが流行りました。今でもよく耳にします。この肯定的な言
葉は、私たちに安心を与えてくれますが、これとは逆に「こん
な自分ではだめだ」という厳しい現実を突きつけてくるのが、
練習や稽古というものでしょう。
武道の稽古にしても、スポーツや楽器演奏、また語学の会話
やスピーチの練習にしても、「今よりも少しでも改善、向上す
る」ことが目的です。そのためには、現状の力不足を自覚し、
人前にさらし、そして乗り越える努力が求められます。
つまり、「今の自分ではだめだ」という自己否定に耐える力
を試されるのが、稽古や練習だと言えるでしょう。
「今の自分ではだめだ」という現実に向き合うのは辛いもの
で、できればやりたくない、やらなければならないのなら短期
間で済ませたい、と思うのは人情です。しかし、中には「辛く
ても、どんなに長く続いても構わない、やり抜くのだ」と決意
し、忍耐力をもって取り組む人もいます。
このような、自己否定に対する忍耐力こそが、心の強さと言
えるのではないかと、私は考えています。
一時期、「そのまま、ありのままの自分でよい」というフレ
ーズが流行りました。今でもよく耳にします。この肯定的な言
葉は、私たちに安心を与えてくれますが、これとは逆に「こん
な自分ではだめだ」という厳しい現実を突きつけてくるのが、
練習や稽古というものでしょう。
武道の稽古にしても、スポーツや楽器演奏、また語学の会話
やスピーチの練習にしても、「今よりも少しでも改善、向上す
る」ことが目的です。そのためには、現状の力不足を自覚し、
人前にさらし、そして乗り越える努力が求められます。
つまり、「今の自分ではだめだ」という自己否定に耐える力
を試されるのが、稽古や練習だと言えるでしょう。
「今の自分ではだめだ」という現実に向き合うのは辛いもの
で、できればやりたくない、やらなければならないのなら短期
間で済ませたい、と思うのは人情です。しかし、中には「辛く
ても、どんなに長く続いても構わない、やり抜くのだ」と決意
し、忍耐力をもって取り組む人もいます。
このような、自己否定に対する忍耐力こそが、心の強さと言
えるのではないかと、私は考えています。
コメント