■ワンポイント・エッセイ 文章を書き続けるコツ(3)
構成のパターンを持つ その2  占部 正尚

 文章を書く上で、構成のパターンを複数持っていると書き続け
やすく、また書こうという意欲も湧いてきます。
 例えば、「残業を削減する必要がある」というテーマに取り組
む際、まず1)情報伝達型「テーマ+結論+本題+整理」で書く
と次のような文面になります。
 「残業の削減が急務となっている。そのための重要なポイント
は“時間管理の徹底”である。徹底させるための具体的な行動に
ついて、業務開始前の計画立案、実施中の進捗管理、終了後のチ
ェック、以上の3点から説明する。(以下省略)」
 次に2)感性への訴求型の「起・承・転・結」を用いると、趣
きが大きく変化します。
 「残業の削減が急務となっている。まずは、削減に向けて社員
が努力をすることで、業務遂行力の向上に役立つだろう。一方、
早く帰宅できるので趣味に没頭したり家族と団らんできるなど、
プライベートを充実させることもできる。したがって、残業削減
は公私にわたって大きなメリットがあるのだ。」
 このように、同じテーマであっても、構成が違うと伝える目的
も情報の種類も全く異なるのです。
 つまり、同じテーマで少なくとも2回はコラムやブログを書く
ことができ、「次はどんな構成で書こうか」という積極的な姿勢
を生むことにもつながります。
 次回は、同じテーマかつ同じ構成であっても、切り口を変える
ことで全く違う内容を書くためのコツを解説します。