■ワンポイント・エッセイ 自分で考える(9) 大嶋 利佳

 考える手掛かりとしてもっとも基本的なものが「5W1H」です。
Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、
Why(なぜ)、 How(どのように)を指し示す言葉です。ものごと
を具体的に考えられる人は、まずこれらを検討していきます。
 前々回、講師志望の人に向けて、人真似でない指導をするため
に「90分間、なんでも好きなことを指導、講義していいとした
ら、何をするか」を考えるよう勧めていると述べました。多くの
人が「経験がないので、誰かに教えてもらわなければ分からない」
と、あきらめてしまいますが、この5W1Hを手掛かりにすれば考え
られるはずです。
 まず誰が受講するのか、受講者をどんな人たちだと想定するのか。
いつどこでその講義をするのか。自分は何を教えられるのか。その
指導内容はなぜ受講者にとって必要なのか。そしてどのように講義
するのか、どんな資料や演習方法を用いるのか。こう考えひとつ、
ひとつに自分なりの答えを探していけば、「分からない」わけはあ
りません。少なくとも「私はこうしたい、これがやりたい」という
方向性は出てくるはずです。そうなれば「何を、どうしたらいいん
ですか?」とばくぜんと他人に尋ねる必要はなくなります。
 安易に人に尋ねず、自ら考え抜く姿勢は、講師・指導者として欠
かせません。