■ワンポイント・エッセイ 自分で考える(8) 大嶋 利佳

 社会人として必要な能力とはどのようなものでしょうか。そ
れを具体的に定義するため、経済産業省は、2006年に「社
会人基礎力」というものを提唱しました。これは「前に踏み出
す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構
成されています。
 私はこれを研修で扱うことがありますが、その度に「考え抜
く力」という項目が「考える力」ではないところに深く納得し
ます。
 「下手な考え、休むに似たり」という言葉があります。ばく
ぜんと、ぼんやりと「どうしたらいいのかなあ」と思って時間
を過ごしていては、「考えてみたけれど分からない」で終わっ
てしまいます。何かを考えるのならば最後まで、つまり深く検
討してなんらかの意義ある見解に至るまで、考えぬかなければ
意味はないでしょう。
 そのためには、考える手掛かりになる知識やスキルが必要で
す。次回からそれについて述べていきます。