■ワンポイント・エッセイ
講師のワークライフバランス(4)最終回 占部正尚

 近年、モチベーション系の研修でよく言われることは、上司・
先輩が部下・後輩を激励し、やる気を引き出す前に、まずは自分
自身が前向きになる必要があるということです。
 管理職に就いたから、仕方なくといった感覚だけで表面上は力
強く部下・後輩を励ましたとしても、皆の気持ちが高まるとは考
えにくいでしょう。
 また、上司・先輩が疲れ切った姿勢でリーダーシップを発揮し
ようと思っても、力が入らず熱意や説得力に欠けたものとなって
しまいます。
 そこで、近年では休暇に対する考え方を変え、プライベートを
充実させ、そこで養った鋭気を仕事にも活かしていこうという機
運が高まりつつあります。
 もちろん、特に日本では「休むこと、遊ぶことは怠け者のする
こと」という呪縛が昔から蔓延していて、義務や責任を放棄した
怠惰と、個人にも組織にも活性化の手段として必要な休暇が混同
されているため、なかなか一気にワークライフバランスを実現す
ることは難しいかも知れません。
 そこで登場するのが、企業人にさまざまな知識や情報を提供し、
価値観の醸成を提案できる立場にある講師です。
 これまで講師・コンサルタントは、働き方改革とは程遠い世界
の住人でしたが、いまこそ全国的に価値観を変える機会にあるか
らこそ、率先して公的に働く時間と、私的に休む時間との区別を
示すべき時といえます。