■ワンポイント・エッセイ      やらない言い訳(3)
                                大嶋 利佳

 「時間がない」以外にも、いろいろな言い訳があります。今ま
で私が「本を出版したいのですが」という人に言われて、呆れた
ものをあげてみましょう。
 「どうせ書くならベストセラーにしたい。その自信が持てるまで、
知識や経験を積み重ねたい」。
 「自分は無名、まずは知名度をあげなければ出版しても売れない。
まずは自己ブランディングセミナーに行きます」
 「自分は文章力がなく、魂の部分まで表現できるとは思えない。
まずはいろいろな文章術の本を読んで勉強します」
 これらはいずれも、「やる気があります、勉強します」と、前向き
に聞こえる、巧妙な言い訳だと思います。
 実際に本を出版できる人は、そんなお勉強をしている時間があれば
1行でも文章を書き進め、1冊分の原稿を書き上げるものです。「
れを出版したいのですが」と具体的に提示できる原稿があって初めて、
出版実現の可能性がひらかれます。
 「あれをしてから、こうなってから、いずれやろう」と先送りする
のではなく、「今、できることをする」。どんな分野でも、目標達
にはこの姿勢が欠かせません。