■ワンポイント・エッセイ
 労働という切り口で考える(9) 頭脳労働を支える“技”
                                    占部 正尚

 “Don’t think, feel!”(考えるな、感じろ)、これは映画
「ドラゴンへの道」で、ブルース・リーが後輩の武道家に伝えた
強くなるための極意であり、実は講師が“技”を『体得』するた
めのポイントと重なります。
 もし、「直感がうまく働けば、深く考える必要はないのだ」と
解釈する人がいたら、おそらく選ばれ続ける講師には永久になれ
ないでしょう。
 講師として『修得』した知識や情報が、いちいち考えなくても、
受講生の理解度や場の雰囲気に合わせて、自然と口から出てくる
レベルが『体得』なのです。
 そのためには、繰り返し繰り返し徹底した訓練が必要ですし、
一回一回の研修・セミナーの場に相当な緊張感と研ぎ澄まされた
感覚で臨むことが大切です。
 お勧めしたいのは、「社員をモチベーションアップするための
ポイント」など、自身の専門分野に関するテーマを決め、それを
1分間・3分間・10分間・30分間と様々な時間枠で何度も話
してみることです。
 できれば、鏡の中の自分に向かって話すミラーリングと呼ばれ
る訓練方法を採用したり、ビデオで撮影して客観的にチェックす
るのが効果的でしょう。
 武道家も講師も、日頃の鍛錬と真剣な姿勢が上達の秘訣です。
講師を選ぶ側にとって、当たり前のことを、繰り返し続けていく
ことができる人こそが信頼できる対象なのです。