■ワンポイント・エッセイ 
     先生と呼ばれる仕事(3)  大嶋 利佳

 私が講師になりたてのころ、「なんの公的資格もないのに、人
様から先生と呼ばれて、いいのだろうか」と考え、目指したひと
つが自著の商業出版でした。著者、作家を「先生」と呼ぶのは社
会の慣行ですし、著作があれば、テーマとなる分野について一通
りの知識があることの裏付けにもなります。そうして最初の本が
出版されたのが、2002年のことです。
 現在では、自分の著作に取り組みながら、後進の講師コンサル
タントの方たちに、本の執筆出版を勧め、具体的なアドバイスや
協力も行っています。
 本の執筆出版ができれば、次の点の裏付けになります。
・体系的な知識と実力がある・・・本の目次を構成し、1冊分のペ
ージを埋められる十分な知識と経験、文章力があると示せます。
・オリジナリティがある・・・平凡な内容では商業出版はできま
せん。著者ならではの新たな視点、切り口があると示せます。
・他社が認める力がある・・・出版社という営利企業が、商品価
値があると認めてくれる内容であり著者であると示せます。
 こうした点から、講師コンサルタントを目指す人には、ぜひ書
籍執筆に取り組んでほしいと考えています。