■ワンポイント・エッセイ 
  研修講師としての話し方(2)視線配り  大嶋 利佳

 参加者全体に目を向けましょう、と言うと、経験の浅い講師では
「なかなか難しいですよね」という人が少なくありません。ある程
度慣れてくると、参加者の方を見ることができるようになりますが
それでも、近くの席の人だけとか、よくうなずいてくれる好意的な
人ばかりをつい見てしまいます。「居眠りしている人がいたら、で
きるだけ見ないようにする」と言った講師もいました。これでは、
果的な講義ができているとは言えません。
 自分にとって好ましい相手は見る、見たくない相手からは目をそら
す。そのような、我欲に引きずられた視線配りしかできないのでは
プロ講師とは言えないでしょう。
 視線は、人の感情を動かす力を持っています。誰でも、顔を伏せ目
をそらし、言葉だけで話しかけてくる人がいたら怪しい態度だと思
ますし、そんな人の言うことをよく聞こうとは思わないでしょう。
 しかし、しっかりと目を見て言われたら「この人は真剣だ」「まじ
めに聞かなければ」と思います。
 講義の際には、聞き手全員と一度は目を合わせるつもりで視線を配
りましょう。聞き手が大勢であっても、全員が「講師はこちらを見
いる」「私を無視していない」と感じるような視線配りはできます
 まずは心構えとして「全員を見よう」と強く意識して、教壇に立っ
ください。