■ワンポイント・エッセイ  仕事と空手の日々(2)
  決意を忘れないために  大嶋 利佳

 新人研修が続く日々を過ごしています。いくつかの会社で、研
修の最後に「試し割り」を取り入れています。空手の演武会に用
いる板に、受講生の皆さんに自分が克服したい点、やめたい習慣
などを書いてもらい、それを気合もろとも素手で叩き割る、とい
う研修締めくくりのイベントです。
 通常、研修のまとめというと決意や感想をスピーチしたり、作
文を書いたりしますが、言葉を並べるだけではすぐに忘れてしま
います。もっと印象に残ることはできないか、と考え、空手の試
し割りを取り入れることを思いつきました。
 何年か経ち、新人研修の内容や感想は忘れてしまったとしても、
板を割った記憶は一生残るでしょう。そしてその板に、自分が何
を書いたかも思い出すに違いありません。
 ある会社で、新人の方が「社長室にも板が飾ってあります」と
教えてくださいました。以前そちらの社長が新人研修を参観され
た際、「自分も」進み出られ、板に大きく「常識」と書いて、参
加者の前で豪快に叩き割ったのです。
 常識を打ち破ろうとする決意、そしてそれを忘れないようにす
る社長の姿勢は、新人の皆さんに強い印象を与えたことでしょう。
 空手未経験の方、女性でも割れる板を使いますので、安全に行
えます。皆様の職場でも取り入れてみてはいかがでしょうか。

試し割り研修の様子はこちらでご覧になれます。
http://blog.livedoor.jp/rikaohshima/archives/51155050.html