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□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2018年3月29日-

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■ワンポイント・エッセイ
    「それ本当に前向きですか」(3)  大嶋 利佳

 「自分はまだまだ未熟。頑張って勉強しよう」。こう思い、
口に出すのは謙虚で前向きな、いいことであるように感じられま
す。もちろんこうした考え方は必要ですし、否定すべきものでは
ありません。
 しかし、安易にこの言葉を用いていると、それが甘さにつなが
ることがあります。難しい課題や仕事をする機会を与えられたの
に「もっと勉強してから」と断ってしまう。ミスや不十分な結果
に対して「まだ勉強中だから」と自分を許してしまう。そして
「勉強させてください」と、キャリアや名声のある人を追いかけ、
その人に従おうとする。そういう研修講師志望者に少なからず出
会いました。
 勉強するのはいいことですが、勉強していればいいわけではあ
りません。「勉強はすでにしっかりやってきた。これからはプロ
として結果を出す。もう勉強中の身ではない」という厳しい覚悟、
自覚があってこそ、質の高い仕事ができるようになります。
 4月から新年度となり、新入社員研修が続く時期となります。
新人の皆さんは、「これから勉強だ」という意欲をもって職場に
入って来られると思います。その気持ちをしっかりサポートしつ
つ、職場に入ったらもう「勉強」では通用しない、という厳しさ
も伝えていくつもりです。