━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2017年12月19日-

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ワンポイント・エッセイ
   コメント力を鍛える(その6)  占部 正尚

 講師の即答力を高めるために、「良い点と改善点」を効果的
に受講生へ伝えるための語順について解説します。
 よく営業研修で使われる事例ですが、成績の悪い営業担当者は
「お客さん、その商品は古くてダメですよ。新しく出たこちらの
商品を買いませんか?」と、お客様への否定(But)からお勧め
(Yes)へと進む語順で営業トークを展開しがちです。
 逆に、成績の良い担当者のトークは「いいものをお使いですね。
発売当時、話題になりました。ただ、今はさらに良い性能の商品
が出ましたが、いかがですか?」と、お客様への肯定(Yes)から
良くなるためのお勧め(Better)という語順が目立ちます。
 同様に、登壇実績の少ない講師は、アウトプットが間違いであ
ることをただ宣告したり、出来ていない部分を指摘するだけで、
嫌な記憶を受講生の脳裏に残しがちです。
選ばれ続ける講師は、まず受講生の「良い点」や「出来ていると
ころ」を承認し、その上で改善点をアドバイスします。
 なぜなら、「そういう見方もできますね。ただ、○○という視
点で考えたら、さらに良い答えが浮かびますよ」とYes&Betterの
語順で講義することで、受講生の「もっと学びたい。この講師か
ら深い話を聞き出したい」という意欲と、研修の効果を高めるこ
とができるからです。
 そのためには、常に「受講生のYesの部分を見極め、いかに
Betterを指導するか」という思考法を自らに課して登壇するこ
とが大切です。

■お詫び
 当メルマガは18日(月)発行予定でしたが、発行人の都合に
より本日となりました。読者の皆様、執筆の占部先生にお詫び
申し上げます。