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□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2017年8月21日-

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■ワンポイント・エッセイ
研修を原点から見直す(その2)企業の問題(2) 占部正尚

 企業が存続・発展していくためには、社員に対する教育・指導
は不可欠です。これが無ければ、時代の流れに沿った商品が開発
できず、顧客へのサービスも行き届かず、衰退の一途をたどるで
しょう。
 この教育・指導において最も大切なことは、経営者から一般社
員に至るまで「未来を共有すること(ビジョンを描くこと)」で
す。
 自社の商品・サービスが、どのような形で社会に役立ち、顧客
に喜んでいただき、企業の利益に結びつき、社員と家族の安定し
た生活につながるのか、というビジョンを共有することが大前提
です。
 そして、研修の目的とは「ビジョンを実現するための手段を、
各階層のレベルや職種の実情に合わせて教えること」です。
 このように考えると、新入社員といえども「会社の未来を分か
ち合う仲間」に対して、個人の障害や過去の体験を無理に聞き出
し、自殺につながるほどの負荷をかけることが、いかに不当で無
意味なことかは明らかです。
 もし、顧客企業にこのような意識が足りないと感じた場合は、
まずは研修担当者と、できれば経営者・幹部と議論すべきです。
 成長が見込める企業であれば、講師が真剣に問えば、必ず教育・
指導のあり方や、研修の真の目的に気づいていただけるはずです。
 講師に対する信頼と尊敬の念が増すことは言うまでもありませ
ん。