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□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2017年10月16日-

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■ワンポイント・エッセイ
研修を原点から見直す(その7)講師の問題(4)占部正尚

 リーダーシップを語る際に忘れてはならない概念として、
フォロワーシップがあります。上司はリーダーシップを有効に発
揮し、部下は上司が動きやすいようフォローしていくと組織が強
化されるのです。
 講師の場合は、受講生に対してリーダーであると同時にフォロ
ワーであることが重要です。なぜなら、リーダーの側面だけでは
“一方的な知識・情報の伝達”に終始してしまう恐れがあるから
です。
 時として「自分がいかに上手く教えられるか」という点しか考
えられない講師を見かけますが、そのような姿勢では選ばれ続け
る講師になることはできません。
 プロの講師として質・量ともに十分な情報伝達をした後は、フ
ォロワーとして聞く側に回りましょう。まずは受講生が理解でき
ているかどうかを確認するために質問したり、簡単な演習をさせ
てください。
 例えば、プレゼンテーション研修で「結論を最初に言うことが
大切である」と講義した後は、受講生に1分程度のスピーチをさ
せて、結論を効果的に言えるかどうかを確認します。
 そして、理解が不十分な場合を想定し、日頃から業界や職種に
合った分かりやすい事例を用意しておき、丁寧にフォローするこ
とが大切です。
 講師の価値は、表面的に上手く講義することではなく、受講生
がいかに理解し、職場で実践できるかという点で決まるのです。